いとしすぎて、そばにいれない

  • 2008.08.17 Sunday
  • 00:00
いとしすぎて、そばにいれない

オリジナルJUNE

好きだから、抱えている秘密故にそばにいれなかった澄仁。
好きだからこそ探し求めた康成。
そして、康成の執念が叶って二人は再開したことで、運命の歯車が回りはじめる。

200円(通販要相談)
   序


「澄仁、付き合ってほしい。」
「うん? 本屋だよな?」
「違う!」
 ちょっと引いてしまう勢いだった。
 学校からの帰り道。
 恒例となった二人の寄り道。
 勉強も、運動も、それどころか人気も、学校では群を抜いている彼、相場康成と一緒に入れるのはうれしくって、誘われるままいつも一緒にいた。
 好きだから言われた事は忘れない。
「え、だって、本屋っていってたじゃんか……」
 昨日から本屋に行きたいと言われ、そのつもりで澄仁もいた。
「だから、」
「あ、分かった。腹が減った?」
 少し声を荒げた彼に、腹が減って気が立っているんだろうぐらいしか思いつかなかった。
 なのに、
「……違う、」
 今度はしっかりと、はっきりと、目を見据えて康成はいった。
「好きだから、付き合ってほしい。」
「え?」
 いきなりで、突然で、予想外で、頭が正しく働かなくなっていた。
 康成相手だからこそ、予想外の事。
「えっと、それは、友達として……じゃないよな。」
 でも、康成の真剣な表情に理解する。
 思っても、思われる事はないと思っていたからこその衝撃。
 嬉しくて、嬉しくて、舞い上がってしまった。
「……だめか?」
 舞い上がりすぎて、言葉が出ないほどで、ブンブンと音が出るほど首を横に振った。
「……本気で?」
「当たり前だろう。冗談でこんな事はいえねぇよ。」
 幸せ過ぎて恐かった。
「澄仁?」
「……オレも、」



 この瞬間が、澄仁の人生にとって幸せの絶頂期だったと、一年もたたずに澄仁は思い知った。
 総てを捧げても全く後悔をする事が無いほどに幸せだった。
 でも、この時から、澄仁の中の留め金が確実に緩み始めていたのだった。
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